1〜 5番全てをフェルデンクライスにつなげて書ける自信はそこそこあ るのですが(笑)、 今回は5番の現美の展示について書こうと思います。 この展示は今も開催中で、 狂言師の野村萬斎さんをアドバイザーに迎えてのexibitio nになります。ざっくり言ってしまうと、人間の「身体」 を通して、まじめにアートとパフォーマンスを考えるというもの。 古典芸能、ダンス、演劇、スポーツにいたるまで、 身体パフォーマンスをテーマとした、絵画、映像、 インスタレーションのお祭り展です。コンセプチュアルなものが多かったですが、その中で私が最も釘付けになっ たものが、サッカー選手のジネディーヌ・ジダンが、 試合で見せたプレーや表情をひたすら数十台のカメラで追いかける という映像作品。 元サッカー選手の中田英寿さんによる解析videoと合わせてのセッ ト展示になっているのですが、 もう本当に素晴らしかったの一言に尽きます。
私はサッカーというか、 全くと言っていいほどスポーツ全般に疎く、 あまり興味が湧かないので、 このセクションは見る前からスルーだろうな(汗) と思いましたが。結果、一番釘付けになってしまった。 大画面いっぱいに写されたジダン選手の動きがあまりにも美しすぎ て、ただただ圧倒されてしまっただけでは到底済まされない話。 それはアフリカの草原で肉食動物が獲物を捕らえるような、 あまりにも生々しい空気感。そして交互に繰り返される必要無駄( フェイント)と無駄一つない優美な身体使い。 その後の中田選手の解析インタビューもこれまたBravoでした。 恥ずかしながら彼が話している姿を聞くのは初めてだった私なのですが、ものの数十秒で、あ、この人はとても感覚的な人! ということがすぐに分かりました。 グラウンド上における身体感覚と空間認知の話、 ジダン選手の身体を動かすタイミングとリズム感、意識と無意識、 1秒にも満たない0. 何秒という時間世界の話を夢中になって聞いた。 その場にいなくとも、 話を聞いているだけで体感したような錯覚を得た時、 もはや私の中でサッカーはただの球蹴りゲームではなく、高い芸術性を含む一種の神聖で神秘的な民族、宗教儀式のように感じた。神が”ボール”に宿る時、その場や空気に独特な緊張がもたらされる。そして選手たちはそのボールを媒介として自分達の身体の可能性を限界まで 引き上げる。その事実を頭で理解した瞬間に鳥肌さえたった。あまりに興奮状態だったので、 その気持ちのままアメリカ行きの飛行機に乗りたいと思った私は、横でやっていたミシェルゴンドリー展は考える間もなくパスを し、荷物をまとめて空港へ向かいました。
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